老後を考える

最期は自宅で迎えたいと願う妻に、夫は?




今日も酷暑。
職場のお客様も、この暑さにうんざりした様子です。

同じスーパーに12年もいると、いろいろとお客様のドラマを見てきました。
毎日買い物に来られたお客さまが突然来なくなるのはよくあることです。

ご高齢の方が多いので、施設に入ったか病気になったかのどちらかです。
亡くなられた方も何人もいます。

今日、以前から気になっていたお客様がいらっしゃいました。

いつも、ご夫婦で仲良くお買い物、とても素敵な老夫婦でしたが、今日もご主人は一人でいらっしゃいました。
一か月くらい前に、久々に奥様がいらしたのですが、以前とは別人のようにガリガリになっていました。

それはハッとするくらいの痩せ方でした。
どこか悪いのか、そんなことをお客さまに聞くわけにもいかないので、心の中で心配していました。

最期は自宅で迎えたいと願う妻に、夫は?

今日のお買い物は、おかゆ10袋、シュークリームが2個、それからお豆腐と柔らかいものばかりでした。

「水ようかんはどこにありますか?妻が喉頭がんで、柔らかいものしか食べれなくなりまして。」
と水ようかんの場所を聞かれたので、教えてあげました。

「奥様、お悪いのですか?」と遠慮がちに聞いてみました。

「もう買い物にはこれないと思います。
もう末期がんで、死を待つだけなのです」とおっしゃいました。
ショックでした。

奥様は、最期は自宅で迎えたいと希望され、在宅で看護をしているのだそうです。

最期は自宅でというのは、簡単なことではありません。
ちゃんとした医療体制が整っていないと難しいと思います。

ちょうど在宅看護をしてくれるいい病院がみつかり、奥様の希望を叶えてあげることができたそうです。

そういえば・・・と父の最期を思い出しました。
私の父も最期は自宅で迎えたいと願っていたのです。

でも介護をしていた母がかたくなに拒否、そして私たち兄妹も自分たちの生活を守るために、父の願いをかなえてあげることはできませんでした。
父は姥捨て山のような老人病院で最期を迎えました。

最期は自宅で迎えたいと願った妻を看取ったお客様が以前もいらっしゃいました。

その方も、奥様の好物の甘納豆と買いにいらっしゃいました。
奥様は胃がんでした。
最期の時に、食べたいものを食べさせてあげたいと思うのが家族の気持ちなのだと思います。

奥様が亡くなられて、もう数年たつと思いますが、今でも買い物にいらっしゃいます。
老人ホームで暮らしているとおっしゃっていましたが、今でも時々奥様の思い出話をします。

奥様を看取られて、認知症になり施設に入られたお客様もいます。

読者の皆様は、どんな最期を迎えたいですか?

私もできるなら自宅で迎えたいです。
老後資金ゼロなんで、医療費は大変不安です。

もしがんになっても、お母さんは入院しないでここで過ごすからと息子に話したことがあります。
がんになっても、治療するお金がありません。

息子や娘に迷惑はかけられません。
だから自宅でひっそりなんて考えていますが、そんな簡単な問題ではないのかもしれません。

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