一人息子を溺愛しすぎた母。
おととしこの世を去った母は、兄を溺愛していました。
何をするのも、兄優先、兄が欲しいものはなんでも買ってあげ、兄がのぞむことはなんでもしてあげていました。
私と妹(双子です)は眼中にない。
小さいころからずっと感じていたことで、寂しい思いをしていました。
父は妹を溺愛していたので中間子である私は、いつも心の中ですきま風がヒューヒュー吹いていました。
実家は食堂を経営していました。
父が二代目ですが、働き者で、お店を大きくしました。
そのお店をついでほしいから、兄を溺愛していたのではないかとずっと思っていました。
一人息子を溺愛してきた母ですが、私も人のことは言えません。
息子は理屈なくかわいいのです。
女の子と、男の子をお持ちの方でしたら、わかるかもしれません。
娘の7年後に、生まれた待望の男の子でした。
なので、本当に溺愛していまいました。
一人息子を溺愛して育てた母を見て、私も同じような育て方をしてしまいました。
最近、小さい時のことをよく思い出しますが、私は母に抱きしめられたことが一度もありません。
仕事仕事と言い、忙しい母とふれあった記憶もありません。
もしかしたら、私は愛されていなかったのかなどと思います。
母は、兄がいればそれでよかったのか、大人になってもその思いはなかなか消えませんでいた。
一人息子を溺愛した母の老後
兄は、母が嫌いだったということは、母に介護が必要になった時に知りました。
溺愛されすぎて、期待されすぎて、そしてプライドが高く世間体ばかり気にする母がずっと嫌いだったそうです。
母は毒親だったのかもしれません。
母が重かったのだと思います。
兄は結婚してから、母と距離を置くようになっていきました。
嫁姑バトルが起こると、兄はいつもお嫁さんを選んでいました。
兄をとられたと思ったのか、母はよくお嫁さんとけんかをしていました。
母を高齢者住宅に入れた兄、お金は出すけど、面倒はみないと宣言。
あんなにかわいがった兄に、冷たくされた母。
高齢者住宅に入居した当時、私は捨てられたとよく泣いていました。
重い母親はだめです。
母を見ていてそう思います、まさしく母は反面教師でした。
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息子に依存していた私なので、一人暮らしをするのをずっと阻止していました。
離れてしまえば、自立するしかありません。
結果的に、息子を送り出して大正解でした。
あのまま一緒に暮らしていたら、私は息子におんぶにだっこだったかも。
時間はかかったけれど、今は、これからも永遠にひとりぼっちだという覚悟はできました。
息子にしがみついていた母子家庭時代の連載を書いています。