熟年別居

70歳には見えない、落ち武者のような風貌になった夫




昨年の夏に、数年ぶりに別居中の夫に会いました。
ズボンが破れたので、ぬってくれと言われ、それは断ったのだけど、下着を買ってきてと頼まれ、それには応じました。
本当に安い下着を洋品店で買い、渡しました。
その後、銭湯に行きたいから場所を教えてくれと電話がきて、その後、銭湯に行ったのかはわからず。

こちらから電話をすることはありません。
かかってくれば、仕方なく対応する感じです。

そして10月に骨折した私。
痛みと闘っていた療養中はまったく電話が来ませんでした。
自分のことで精一杯で、夫のことなど心配する余裕などなかったし。

別居中の夫の安否を聞く、まるでホームレスのようだと・・・
元わが家の隣の奥さんから、電話がきました。 聞きたくないことを耳にしました。 別居中の夫の安否を聞く 家も、夫自身もすごいことになっているらしいです。 家は荒れ放題になっており、庭の木々は生え放題、隣の家に今にも倒れ...

おととしの6月の時点で、ホームレスみたいな容貌になっていることは知っていました。
その通り、夏に会った時は、あまりの変わりように、涙がでました。
本当に別人になっていて、ショックでした。

昨年暮れ、再び連絡が来る

ケガが治りかけた12月、再び、夫から電話がきました。
ズボンが破れたから、買ってきてほしい、居間の電球が壊れたから買ってきてほしいという内容でした。

「こちらも、骨折して仕事を休んでいて大変なんだ」と打ち明けたのですが、とにかく安いのでいいから買ってきてと言う。
断れずに、またまた安物の購入しておきました。

お正月に息子が帰省した時に、持たせるつもりだったのですが、夫はそれを拒否。
本心は会いたいに決まってる、だけど、落ちぶれてしまった現在の姿を息子には見せたくなかったのかもしれません。

70歳には見えない

今日、再び会ってきました、会ったというより、買ったものを渡しただけです。
前回と同じく、軽トラに乗ったままの夫に、買っておいたズボンと、電球を渡しました。
自宅にあった、もう舐めない飴も一緒に入れて。

前回、変わってしまった風貌にショックを受けたけれど、今日の夫はさらに老け込んでいて、とても70歳には見えませんでした。
白髪頭を長髪にし、まるで落ち武者のようだって感じました。

別居当時は、まだ怖くて怖くて仕方なく、電話にも怯えていた私が、夫を助けるようになるなんて・・・・
思ってなかったです。

今日も、買ったものと渡すと「ありがとう」と夫は言いました。
同居している時は、ありがとうなんて言ったことなかったのです。

そして軽トラの助手席には、結婚する時に、亡き母が買ってくれた花柄の毛布がのせてありました。
すごい温かい毛布なのです。

まだ使っているという驚き、そしてここで寝てるのかもという憐みの気持ちと、いろんな感情が入り混じっています。

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