老後貧困

お金を愛しすぎた元夫、老後貧困にあえぐ




元夫と別居したのは6年前の3月、寒い時期でした。
布団の中でガタガタ震えていたのを覚えています。

最初に、引っ越したワンルームは、元わが家から10分ほどの所で息子と二人夜逃げのような引っ越しをしました。

夫がいない間に息子とコソコソと、自転車で何往復もして運びました。
しょっちゅう追い出されていたので逃げ場所として借りたのです。

出てけー!と爆弾が落ちたのはしょっちゅうでした。
月一回は追い出されていたと思う。

爆弾が落ちた時に、避難していたらもう夫の家に帰るのがいやになっちゃったので、そこに住み始めました。

しかもすぐに夫に居場所がばれてしまいました。
(郵便局の配達員の転送ミスで)

別居直後は、帰ってこいコールの電話攻撃、無視をするとアパートまで押しかけてきて、怒鳴り散らす始末。
逃げた感じは全くしなくて、ハラハラドキドキの日々でした。

そして4年前に、2DKのこのアパートに、再び引っ越すことができた時、やっと夫から逃げたという気持ちになれました。

今度は元わが家から、一時間の所、どこに越したかも、夫は知りません。

私たちを、何度も追い出した理由は、たぶんお金

何よりもお金を愛した夫でした。

仕事がうまくいっている時、年収は1000万円あったと思います。
そのころ、いつも札束を並べてにやにやしていました。

お金が大好きだから、宝くじも毎年買っていました。

そのうち、仕事がうまくいかなくなり収入が激減して、私や子供たちへの暴言暴力がひどくなっていきました。

言い合いになるたびに、私はよく夫に聞いていました。

家族とお金どっちが大事なの?って。

お金に決まってるだろ、と迷わずに答えた夫でした。

私はその時、お金がすべてではない、夫婦で助け合って何とかできないかという気持ちもありました。

でもお金を何よりも愛していた夫は、そのうち、生活費もくれなくなりました。

おまえ、稼いでいるじゃないかって、私のパート代をあてにばかりしていました。

お金お金って、いつもお金のことばかり考えていたのだと思います。
わが家にくる手紙は、請求書と、督促状だけになっていました。

結局の所、生活費をあげたくないから、私たちをいつも追い出していたのだと思います。

出て行け、子供連れて出て行けとばかり言われていました。

本当に出ていくとは思ってなかったみたいですけど。

夫は、今、老後貧困にあえいでいます。

夫は、無年金無保険です。

自営業でしたが、国民年金は払ったことがなく、国民健康保険も滞納して、保健証はもっていません。

(月々15000円の国民年金の支払いも、惜しんだ結果です。)

もう夫はあてにできないと、その頃、世帯分離をして、私と子供は違う世帯になり、私は世帯主となりました。

年金がもらえない夫は、どうやって暮らしているのか。

たぶん自分の食い扶持くらいは稼げているのではないか、はたまた貯金を崩して暮らしているのか、本当の所はわかりません。

貯金もいくらあったのか私に教えてくれたことは一度もありません。
肌身離さずもっていたカバンがあり、そこに貯金通帳一式を入れて持ち歩いていました。

現在は一人で、今後の不安を抱えながら、カップラーメンでもすすっているのではないかと思います。

一番大事なものは、お金だと言い切り、お金を愛した夫。

お金を愛しすぎて、家族を失って、夫は今、どのような気持ちなのだろうか。
別居から6年たち、今はうらみもおそれもありません。

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