熟年別居

無年金無保険の夫からの電話、やっぱり最後に頼ってくるのは私なのか。




店内のエアコンがやっとなおり、仕事中、歩き回ると暑いくらいでした。
帰りは、マフラーがいらないかも?と外へ出たら、まだまだ風が冷たく感じました。

昨晩、遅い時間に別居中の夫から着信あり。

今年に入ってから、救急車のサイレンが気になってしょうがなく、夫は倒れるのではないかと心配していました。
今、これを書いている最中も、サイレンが鳴り響いています。

本当かどうかわかりませんが、あるユーチューバーが現在の日本は、すごい勢いで人が亡くなっていると言っていました。
マスコミがそれを取り上げなくなったのは、不思議だと。

話がそれましたが、電話の向こうの夫は、以前話した時よりも元気そうで、なんだ心配して損したって思うくらいでした。
何の用があって電話してきたかというと、通帳をなくしてしまいお金がおろせないと言う。

キャッシュカードがあるでしょ?と聞いたが、そんなもの最初からもっていないと、言い張りました。
ついに頭もおかしくなってしまったのかと、衝撃を受けました。

あとどれくらい残高が残っているのか?銀行に問合わせた所、こういうご時世のせいか、教えてくれなかったそうです。
私に、代わりに聞いてほしいと言うのです。
本人に教えてくれないのに、別居中の奥さんにおしえるわけがありません。

通帳の再発行も聞いてくれと言われたけど、今は通帳発行に1000円かかります、それを知ったらまたガミガミ怒りそうだけど、たぶん本人が出向かないとどうにもならないと思います。
一応、来週、銀行に問い合わせをして、夫に折り返し電話をすることを約束してしまいました。

やっぱり最後に頼ってくるのは私なのか?

出来れば、関わりたくないけれど、まだ籍が入ったままです。
私が、助けるしかないのかと、気が重くなっています。

肺が苦しくて仕事ができないと言っていた夫。
ついに収入も途絶えたらしい。

思い切って、「生きていくためには、家を手放すしかないんじゃない?」と提案してみました。
電話口の向こうで、激しく怒り出した夫。

「おまえは何バカなことを言い出すんだ!親父とお袋が苦労して建てた家、なんで売れるんだ?絶対売らないよ」

自分の命よりも、親から受け継いだ財産が大事なんだそうです。
その考えは、昔から変わっていません。

食べていけなくなっても、手放さないとほざく夫。
では、最後は飢え死にするしかないではないか。

無年金無保険の夫の元から、飛び出さなかったら、私は子供たちを守ることも、自分自身を守ることもできなかったと、あらためて思ったのでした。

毎日が発見ネットに連載しています。
現在は、苦しかった母子家庭時代を綴っています。
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