喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか、認知症母の特別養護老人ホームの入居が決まりました。
東京都内の特別養護老人ホームに入居ができるのは奇跡に近いことです。
特別養護老人ホームに入居を希望し待機している人は全国で30万人います。
特別養護老人ホームの人気の理由はなんと言っても、費用が安いということです。
介護費用を負担する家族にとっては、費用が安くすむのは大変ありがたいことです。
私の母も、ずいぶん前に申し込みをしていましたが、入れるまで何年かかるかわからないと言われていたのです。
ところがここにきていろんな理由が重なり、入居できることになりました。
87歳の認知症母、要介護5になる。
要介護5は介護度の中でも、一番重いケースです。
誰かの助けなしでは何もできない
寝たきりで、立ち上がることもできないなどです。
昨年から認知症がさらに進行し、12月には大腿骨骨折。
その後、入院生活を続けていますが、母が帰りたいと希望していたサービス付き高齢者住宅には帰ることができなくなりました。
サービス付き高齢者住宅は、身の回りのことはだいたい自分でできる方が多く、自立した高齢者向けという感じです。
あれよあれよと悪くなってしまった母です。
費用が安い特別養護老人ホームに入居が決まったことは、奇跡に近いので喜ぶべきことなのですが・・・。
母の通院介助をしていた時に、いつもその特別養護老人ホームの前を通りました。
億ションのような立派なつくりで、ここはお金がある高齢者しか入れないのだろうと勝手に思っていました。
まさか母がそこに入ることになるとは夢にも思っていませんでした。
要介護5、何もできなくなった母。
これはどんな母親だったとしても、娘としては悲しいことです。
これからの残りの人生はベッドの上で寝たきりですごします。
そしてこれからもどんどん記憶をなくしていく。
私は妹のことも、わからなくなるのは時間の問題だと思います。
いつかそんな日がくることは、覚悟しなくてはと思います。
特別養護老人ホームに入居が決まっても、これで安心というわけではありません。
認知症が進んでいるので、おむつをしていることも忘れ、トイレに行こうとまたまたベッドから落ちる可能性もあります。
大好きなディサービスもありません。
費用はサ高住でかかっていた20万から8万前後に下がることになります。
母の年金は7万円なので、家族の負担が大幅に減ります。
その点で一番喜んでいるのは、兄夫婦だと思います。