コロナ禍の間、ずっと買い物に来られないお客様はたくさんいました。
自粛解禁とともに、三か月ぶりにいらっしゃった方が今日は何人もみえました。
その中の一人50代の美しい女性も、久しぶりにいらっしゃいました。
親が認知症で、同年代ということもあり、よく話していました。
もっと優しくしてあげれば良かった、親を亡くした後の後悔
とても久しぶりにいらした50代女性は、私のレジに並びました。
「お久しぶりです、お元気でした?」と声をかけるとその女性は涙をポロポロ流し、その場で泣き出しました。
「父が5月の初めに亡くなったの、もっと優しくしてあげれば良かったと後悔ばかりだ」とおっしゃっていました。
享年91歳大往生だと私は思いました。
夜中に徘徊して、歩き回ったこと。
何度もトイレにおきて自分は眠れない日が続いている
外へ出たいと夜中にドアをどんどんたたく
そんな泣き言を何回も聞かされていました。
50代の女性はひとりで二人の認知症の両親を介護していました。
最後まで施設に入れずに、本当によく頑張ったと思います。
本当に大変な介護をされていたのです。
昨年12月には老人ホームに入居を考えていたのですが、その後、入退院を繰りかえし結局は自宅で過ごされていたそうです。
そして最後は誤飲性肺炎であっけなく亡くなられたと聞きました。
ご両親とも認知症になる前に、最期は自宅でとのぞんでおられたそうなので、意思の疎通はできなくなっていてもきっと感謝されて旅立たれたのではって思います。
もっと優しくしてあげればよかった、後悔しない人なんていないんじゃないでしょうか
でも介護している時はとにかく必死で優しくしてあげようという心の余裕なんてなくなってしまうのだと思う。
とくにこの女性は両親二人とも認知症という壮絶な介護でした。
母親を亡くして泣いてばかりのアラカン同僚も同じくもっと優しくしてあげればよかったと未だに後悔しています。
みんな同じなんだと思いました。
今日は私の父の8回目の命日です。
小林麻央さんと同じ命日です。
8年もたつともっと優しくしてあげれば良かったなんていう後悔の気持ちは消えてなくなります。
(私が冷たい娘なのかもしれませんが)
ただ月日がたつのは早いって思います。
小林麻央さんが亡くなってもう3年たちました。
可愛いお子さんを残して亡くなる無念さは、どれだけ大きかったことか。
愛する人の死の悲しみを乗り越えるのは、ただ時間の経過しかないと思います。