おひとり様の老後

旦那さん、ガリガリに痩せて可哀想だ




今日は疲れていたので、鉄火丼を買ってきちゃいました。

元々安売りの380円が、半額の190円。
ラッキー!と思いながら買ってきたけれど、食べていたらなんだかみじめな気持ちになってきた。

190円の鉄火丼を親子で食べる風景、やっぱり貧困母子家庭そのものだって思ったのです。
息子はこの貧困の連鎖から脱出してほしいとつくづく思いました。

夕飯を食べてボッーとしていたら、元わが家の隣の奥さんから電話がありました。
夫になんかあったら連絡してねと伝えてあったので、一瞬ドキッとしました。

夫に何かあったのかと思ったからです。
でも違いました、夫は元気にしているそうです。

旦那さん、ガリガリに痩せてしまったよ~

一回り小さくなって可哀想と隣の奥さんは言いました。
なんと答えていいのかわかりませんでした。

そして一人で可哀想だ、一人で頑張っているなんて相当強い人だとも言いました。

強い人?
強い人だったら、家族を守るためにもっと頑張ってくれたはず。
違うよ~と心の中で思っていました。

ガリガリに痩せた初老の男を一人置いて、出て行った私を責めているように感じちゃいました。

夫は近所でも有名な変人男で、他の近所の人たちは逃げて正解、幸せになれるよなんて言ってくれました。

まあ所詮他人事なので、わが家の内情なんて本当の所はわからないと思う。

隣の奥さんは私とは一つ違いで子供の年齢も近く仲良くしていました。
42歳の時に、旦那さんが急死して未亡人だったのです。

苗字が変わっていました、再婚したのです。

私に再婚しないの?と聞いてきました。
再婚?できるわけないよね、離婚してないんだから。

隣の奥さんはケラケラと笑って幸せそうでした。
その甲高い笑い声で、190円の鉄火丼を食べていた自分がまたまたみじめに思えてきました。

隣の奥さんも早くに旦那さんを亡くし、五人の子供を育てました。
苦労もあったと思います。

私は一人でいいのです。
一人でワンルームマンションに住み、ベランダから夜空を見上げる。

それも悪くない。
今日は仕事中にそんなことを考えていました。

夫がガリガリに痩せていたと聞いて、やはり妻としては心配です。
娘に子供が生まれて、自分がおじいちゃんになったことも知りません。

夫の人生とはなんだったんだろうと思います。

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