映画 万引き家族が公開されました。
カンヌ映画祭で特別賞をとって話題になっています。
貧困母子家庭の私にとって、貧困をテーマにしているこの映画はとても興味があります。
貧困で、子供に教えるのは万引きしかないと、万引きを教えて、家族みんなで万引きをして生計をたてていうという話です。
家族とは?
家族の絆とは?もキーワードになっているようです。
さきほど、万引き家族より怖い年金タカリ家族という記事を目にしました。
今、老人介護施設には、大黒柱の寝たきり老人がたくさんいるそうです。
寝たきり老人に際限なく延命治療をリクエストする家族
老人介護施設など日本の療養型施設には「寝たきり大黒柱」と思われる人が数多くいる。
現在の社会保障制度では、医療費の自己負担額には上限がある。
そのため、年金(あるいは生活保護費)支給額から、その医療費を差し引いてもそれなりの額が残ることがある。これを目当てに、家族が寝たきり老人に対して際限なく延命治療をリクエストするケースが後を絶たない。
それは、愛する親を死なせたくないという気持ちゆえの「懇願」であることもあるが、「金目当て」であることもある。
医師が延命治療を拒否することはできない。業務上過失致死傷で告訴されるリスクが伴うからだ。地方の療養型病院に行くと同様の患者ばかりなのか、歩いたり会話したりする人間が全く存在しない病棟をしばしば目にする。
医師としても、納税者としてもやりきれない思いのする光景である。また、これは近年、「若手医師が地方勤務をイヤがる」という理由の一因ともなっている。引用 プレジデントオンライン
この記事を読んで、私はいとこを思い出しました。
私より、3歳下の従弟は今54歳で、仕事をしていません。この記事と同じく年金タカリ家族です。
母の妹である叔母は、アルツハイマー認知症を患っていました。
従弟は仕事を辞め、母親の介護をしていました。
大変だったと思います。
ごはんを食べさせても、すぐにごはんを食べさせてとわめいたそうです。
ごはんを食べたことも忘れるほど、その症状は悪くなっていました。
母が会いに行っても、私が会いに行っても、誰のことだかわからなくなっていました。
叔母は遺族年金をもらっていたので、従弟もそれで生活していました。
5年ほど前、その叔母が脳内出血で倒れました。
母とその妹、私と妹はすぐにかけつけると叔母さんは、集中治療室にいて、もう意識がない状態でした。
私たちは、医師から延命治療の説明を受けました。
叔母の意識がもどるのは、奇跡でもおきない限り難しいということで、このまま眠らせるか、延命治療をするかの選択を迫られました。
延命治療とは、のどに穴をあけて人口呼吸器をつけること。
そして胃に穴をあけて、栄養をおくる胃ろうもしなくてはなりません。
母と叔母は、意識が戻らないならこのまま眠らせてほしいと希望を出しました。
最終的に決めるのは、叔母さんの一人息子である従弟です。
「どんな姿でも生きていてほしい」
従弟は延命治療を選択しました。
あれから5年、意識のない叔母は、東京のはずれの老人病院で生き続けています。
どんな姿でも生きていてほしいという気持ちも本当だと思います。
だけど、母親が亡くなったら自分は生きていけないという本音ももらしています。
従弟は、未だに仕事をせず、叔母の年金だけで暮らしています。
亡くなった叔父の企業年金も含まれているので、老人病院への支払いを済ませても、自分一人で暮らしていけるお金は残るのです。
意識のない叔母さんは、一人息子である従弟を溺愛していましたから、自分がいなくなったら息子が困ると、あの世に行かずに頑張っているのかと思ったりしています。
従弟も年金タカリ家族です。
独身で、兄弟もいません。
ある意味可哀そうな人だと思います。